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「父ちゃ~ん…」
「おぅ、目が覚めたか。まったく世話焼かせやがって。朝飯食え」
そう言いながら、朝からビールを飲んでいる父を眺め、翔は眉をひそめる。
「…また、今日も仕事に行かないの?お酒の量、なんか最近増えてるよ?」
「不況なんだよ。行かねーんじゃねーの。お仕事がねーの」
翔の父の和馬は、大道芸人である。
浮き草暮らしと思われがちの職業だが、和馬は様々な大道芸や手品ができるので、色々なイベントなどに引っ張りだこの人気芸人だった。
贔屓のイベント業者も多くある。
「うっそだぁー。この前、仕事の電話断ってだじゃん」
「うっせーな。子供はそんなこと気にしねーで、飯食え。飯」
「って、朝ごはん食べてる時間ないよぉー…」
そう言いながら、翔は身支度を整えて玄関に向かう。
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