0:道化師の息子

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すると、和馬が素早く翔の背後を取り、ムンズと襟首をつかむ。 「ぐはっ! とっ、父ちゃん…?」 「てめー…。何様だ」 「え?っへ??」 「朝飯が冷めちまうだろーが」 「はぁっ?!時間!時間!! 学校、遅刻しちゃうってばぁっ!!」 翔は必死に父に訴える。 「だからテメーはアホなんだよ。 俺様の愛情がこもった朝飯を食えねーぐらいなら、学校なんぞ遅刻して構わねーっ! 保護者が許す」 ハチャメチャだ。 「何言ってるんだよーぅ!先生に怒られちゃうよーぅ!!」 翔、朝から半泣き。 「バッカヤロォー。 どんなに偉ぇー先生さまだろーが、飯作ってくれんのか。 テメーの唯一の取り柄は元気なトコしかねぇーんだから、弱い頭でグチャグチャ考えてねーでシッカリ食え。このバカ息子」 「でも!でもぉ~っ!!!」 「ったく、脳みそだけじゃねーで、根性までねーのかよ。 あぁ、もう良いから、味噌汁ぶっかけて飯だけでもかっこんでけ」 ………どっちにしても、何か食べないと登校させてもらえないらしい。
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