0:道化師の息子

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「朝からゴチャゴチャうるせーんだよ」 不意に、翔の背後から不機嫌な声が響く。 「あwコウタだ☆おっはよっ♪」 翔が、その不機嫌そうな男に手を振って、腕に懐こうとする。 翔にとって、幼馴染で中学までずっと親友だった彼。 「うぜぇ。朝から野郎に懐かれたくねぇー」 そう言いながら、その男が悠然と校門を入ってくる。 でも、何故か最近冷たい…。 「常盤くん。今日はお早いご出勤だね。でも、遅刻だよ。生徒手帳出して」 佐伯が男の前で仁王立ち。 常盤康太(トキワ コウタ)。 翔の幼馴染で同級だが、1年生にして校内に名を轟かす不良である。 「オレが、んなモン持って来るわきゃねーだろ。いい加減覚えろ、この偏差値バカ」 「何度言ってもルールを覚えられない原始人バカよりは良いだろ?」 「…あんだと?ごるぁ」 康太が不機嫌な表情を更に険しくして威圧する。 しかし、勇介も負けていない。 「殴るなら先に殴ってくれ。そうすれば、お前が悪者だ」 「良い度胸だっ!おもしれぇじゃねーかっ!!」 常盤が佐伯の胸倉をつかんだ。 「んまっ、待ってぇ~~!!」 二人を止めようと、側にいた翔が逸早く二人の間に飛び込む…。 …………ん? …………………んん?!
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