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「朝からゴチャゴチャうるせーんだよ」
不意に、翔の背後から不機嫌な声が響く。
「あwコウタだ☆おっはよっ♪」
翔が、その不機嫌そうな男に手を振って、腕に懐こうとする。
翔にとって、幼馴染で中学までずっと親友だった彼。
「うぜぇ。朝から野郎に懐かれたくねぇー」
そう言いながら、その男が悠然と校門を入ってくる。
でも、何故か最近冷たい…。
「常盤くん。今日はお早いご出勤だね。でも、遅刻だよ。生徒手帳出して」
佐伯が男の前で仁王立ち。
常盤康太(トキワ コウタ)。
翔の幼馴染で同級だが、1年生にして校内に名を轟かす不良である。
「オレが、んなモン持って来るわきゃねーだろ。いい加減覚えろ、この偏差値バカ」
「何度言ってもルールを覚えられない原始人バカよりは良いだろ?」
「…あんだと?ごるぁ」
康太が不機嫌な表情を更に険しくして威圧する。
しかし、勇介も負けていない。
「殴るなら先に殴ってくれ。そうすれば、お前が悪者だ」
「良い度胸だっ!おもしれぇじゃねーかっ!!」
常盤が佐伯の胸倉をつかんだ。
「んまっ、待ってぇ~~!!」
二人を止めようと、側にいた翔が逸早く二人の間に飛び込む…。
…………ん?
…………………んん?!
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