ジョーという女

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ジョーという女

会社につくなり私はいつものようにデスクについた 『ジョー!あんた何してたのよ!ほら、記事差し替えの分』 『なにやってたんだ?さっさと済ませて取材行ってこい、ジョー!』 『ジョー!』 『ジョー!』 そう私は苗字が矢吹だからジョーと呼ばれている…つまり『あしたのジョー』だ しかも出版社の社長が力石…はまりすぎである 私の仕事は週刊誌『ライブ』の記者 昔は政治やら世論中心の雑誌だったらしいが、今やグラドルにいやらしいポーズをとらせ、三流の雑誌まっしぐら… 社長兼編集長は何を考えてるんだろうか? 私は早速社長に呼び出された 『悪いな、ジョー。ホントはやめたかったんだろ?ジュンの奴が俺が無理にでも会社に連れてくるっていうから、まかせた』 『ええ!あの人ホントに社長の弟さんなんですか?』 『歳の離れた弟だよ。何あったかしらないが、辞めずにここにいてくれ、頼むよ』と社長は私の目を見た 『こちらこそ…勝手な事してすみませんでした…また働かせてください』 と私は頭を下げた 『そうと決まったら仕事、仕事!今夜は徹夜だぞ』 マジかよ…私には失恋を癒す時間もないってわけ?
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