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「諸君、集まってもらっつぁ…」
放課後2-Aにて、千代子は舌を噛んだ。
「千代子…大丈夫?」
「へへっ!大丈夫!ちょっとテンション上がっただけだから。」
千代子はこほん、と一息をついた「さて、改めて益男先輩にあげるチョコについて考えよっか」そう言うと千代子は黒板に横長の長方形を描いた。
「これがチョコだとして」
すると千代子は長方形の中に棒人間を描いた。
「で、中にあたしg」
「なんでやねん」
東京生まれの東京育ちな碗子がツッコミを入れた
「だめでしょ!中にあんた入ったら。」
千代子は一瞬きょとんとしたが、すぐにはっとして
「そっか!あたし入ったら先輩に渡せないじゃん!」
「それ以前にどんだけ巨大なチョコ作るつもりなのよ…」碗子は頭が痛くなってきた。勿論、十割千代子の責任である。
「あんたがしょうもないことばっか言ってるから頭痛くなってきちゃったじゃない」
すると千代子は何故か考えるような仕草をして「…あたしの声って超音波並みだったんだ」
「はぁ…いいよ。もういいから考えようよ」
開始30分、ようやくまともに本題に入ろうとしていた。
あ、そうそうと、千代子は茶色い鞄から生物のノートを出した。「あたしね、とりあえず先輩の好きそうなものをノートにまとめといたんだった!偉いでしょ!碗子誉めて誉めて!」
はいはいと碗子は軽く受け流したが、千代子は満足げな顔をし、ノートを開いた
「えーとね、……ん?」千代子は首を傾げた
「どうしたの?」
「その…すごく言いにくいんだけどね」千代子はもじもじしだした。
「涎で掠れまくってて読めないや。えへっ☆えへへ☆」
「…帰るね」碗子は呆れて突っ込む気にもならなかった。
(後編へ続く…)
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