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案の定、休み時間になると川坂は女子だけでなく男子にも囲まれていた。
「どこから来たの?」
「身長何センチ?」
「彼女は?」
と質問の嵐だ。
俺はというと、ぼーっと窓の外を見ていたが、ゴリ山によってそれも邪魔された。
「さっきから何してんだよ!」
「え?タカってなんか弱点ないのかなって」
そうほざきながらもゴリ山は手を止めない。
…さっきからこいつの手は俺の脇だとか、背中だとかをこしょばしている。
「あったとしてもてめぇには絶対教えねぇよ!」
「俺も同感」
うんうんと頷く深山。
「そーいや俺、深山の弱点も知らねぇや」
自分自身驚いているゴリ山にもはやため息しか出ない。
「お前に教えるわけねぇだろうが」
「お前にはな」
「ひっでぇ!」
「でもお前の弱点は知ってるぞ」
深山が意味深に言う。
「は!?え、ちょっ」
顔が青褪めながら、ゴリ山は後ろに下がって、深山と距離をとろうとする。
しかし目をギラつかせた深山は一歩一歩、ゴリ山ににじり寄る。
「い、いやだああああああ」
ゴリ山の絶叫がクラス中、いや学校中に響いた。
見ていた俺も少しゴリ山が可哀相になってくるほどに、深山は怖かった。
何をしたのかは想像に任せる。
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