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なんやかんやで午前中の授業を全て受けるハメになった。 それも転校生のせい。 「次はどこの教室?」 「あー…選択Bじゃね?」 「えーっと…それはどこ?」 困惑する俺と川坂。 午後になり、そろそろサボりたくなってくるが、こいつがいるからサボるにサボれない。 どうせ連れて行ったが運の尽き、授業に出席させられることだろう。 そんな気怠さをこいつは分かっているから、次の教室を聞くに聞けない、…そういうところだ。 「サボらねぇ?」 「さすがに初日にはマズいんじゃない?」 「…迷ったことにしたら大丈夫だろ。行こうぜ」 川坂の意見も聞かず、歩き出した。 当然、まだ不慣れな川坂は付いて来ざるをえない。 「全く…変わりないな、タカは」 「あ?何か言ったか?」 「いや、何も」 そのまま聞き流し、屋上へと向かった。 その途中の階段で、そういえば、と思い出して、振り返り川坂に尋ねる。 「さっきの質問の続きだけどさ」 「ん?」 「やっぱ俺と会ったことねぇ?」
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