文芸しようぜっ

会戦しようぜ

「俺がこの無駄な戦争を終わらせて見せる、そしてこの地にまた平和を……」

「先輩なんで歩兵を前に進めないんですか。角道開けるとか……」

「でたな、悪党め」

「だれが悪党ですか、だれが。はやく進めてくださいよ」

「わかってないな、後輩よ。こいつらはな、進むことはできても後ろには帰れない奴らばかりだ。だからせめて、いまだけはここに居続けて欲しいのさ」

「やれやれ……じゃあ、攻めますね」

「くっ、だが俺は負けない。誰一人欠けることなく戦って見せる！」

「はい」

「歩――！！」

「あゆむってだれですか」

「歩の仇とって見せる！！」

「はい、角取り」

「角さんまでも……」

「はい、王手」

「王手……だと……」

「はやく逃げてくださいよ」

「だが断る！」

「なんで―！？」

「頭が逃げては隊が乱れる。それにな」

「それに？」

「成金ごときが王に勝てるとでも思ったのか？攻撃力が高いほうが強いんだよ」

「将棋……やめましょうか……」