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チチチ……と飛び立つ鳥が良く見える窓。
そこから見える景色は、世界一の軍事力を持つ国とはとても思えない程に、争いがまるで無いのどかな自然の風景。
そんな素敵な風景を独り占めにしながらも、窓の端に寄りかかり、眉間にしわを寄せ外を睨む青年。
赤茶色で無造作、特に右側が異常に飛び跳ねまくった(決して寝癖ではない)特徴的な髪型を持つ青年は、只今この国の王に呼び出されて不機嫌モードMAXであった。
「…で、何の用だ?」
くだらねぇ用だったらぶっ飛ばすぞ、と物騒な事を加えて、白で統一された部屋の真ん中に置かれた長テーブルでお茶を優雅に飲む人物に問う。
「はいはい、分かってるよ。まったく…」
相変わらずだねぇ、と呟いてカップを机の上に置き、後ろで束ねた黒の長髪をなびかせながら、椅子から立ち青年の近くまで歩む綺麗な顔立ちをした男。
この男こそが、僅か20代後半で国を治める、
“王”その人である。
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