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俺達の運命を変えた日は少し前。
その時、性別なんか気にせずに付き合っていた俺達は毎日幸せを感じていた。
感じていた筈だった。
「え…」
「ほんまにすまん」
仕事でなかなか会えなかった俺達が久しぶりに会ったその日
亮君は深く頭を下げて謝った。
何が何だか分からない俺は戸惑いながらも笑っていたら告げられた言葉
「子供ができた」
小さく告げられたそれに、俺はしばらく理解できなかった。
そう。ほんの出来心だった。
なかなかスケジュールが合わなかったせいか、亮君はある女性と行為をしてしまった。
そして、デキてしまった。
悔しそうに言う亮君の顔はくしゃくしゃで、何度も謝ってきた。
俺はというともう放心状態で。
足元から崩れたのを覚えている。
俺から別れを告げたのも、覚えている。
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