──第1章──

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「えっあたし? あたしはまもちゃんと毎朝会ってるしぃ…お別れの時はいつも…その………キスしてくれるし! きゃああっ♥言っちゃった!」 ──飛び火、ではなく勝手に燃え上がってしまったようだ。 レイはうさぎに恋愛ネタのパスを出してしまったことを激しく後悔したに違いない。 「…はいはい。ごちそうさま。」 呆れ顔のレイ。そこで愛の女神が動き出す。 「はあああ。それにしても羨ましいわね。」 愛の女神とは名ばかりで浮いた話の一つも見当たらない。 「本当だよ。うさぎちゃんには衛さんだろ。亜美ちゃんはちょっと離れてるけど浦和くんがいるし。」 こちらも惚れっぽいのが玉にキズ、恋愛体質だが未だ成功例がないまこと。 「レイちゃんだって何だかんだ言っても雄一郎さんがいるし。」 今のところ幸せから一番遠退いている2人が最強タッグを組む。 「はあああ。あたしも彼氏が欲しいなあ。」 「あたしもー。はあああああ。」 何だか変な空気になってしまったレイの部屋。しかし名指しで羨ましがられてしまった3人には、彼女たちに掛ける言葉が見つからない。
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