──第1章──

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一体ホームで何があったと言うのか。まことは詳しい事情を聞くために男性の前に立ちはだかった。 「ちょっと待ちなよ、何があったんだい?」 きっとこの男性は何も悪くないのだろうが、まことの並外れた威圧感によって何だかおかしな構図となってしまった。 「か…怪物が出たんだ!どいてくれっ!」 と一言のみ告げると、正面に立ちはだかるまことを押し退けて一目散に逃げて行った。 「怪物………?」 美奈子の表情が曇る。 直後、今時の若者風の青年がうさぎに駆け寄り、 「男の子が1人逃げ遅れたんだ!警察を呼んでくれ!」 と声を掛けて走り去った。 ──これはただ事じゃない。今朝の出来事が脳裏をよぎる。 「みんな!行ってみましょう!」
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