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一同は火川神社に戻り、レイの部屋では浦和くんが眠り続けていた。
ベッドに横たわる浦和くんの傍に、心配そうな表情で寄り添う亜美。
──すると浦和くんがゆっくりと目を覚ました。
「浦和くん、大丈夫?」
「ええ、もう大丈夫です。」
亜美は今にも泣きそうな顔で、良かった、と笑った。
「それより水野さん………。
予知夢を見たんです。
過去と未来が変わってしまうという………。」
あんな大変な目に遭って気を失っていたのに、目を覚ましての第一声が予知夢?
亜美には話の意図が掴めなかった。
「どういうこと?」
「詳しくは分かりませんが、歴史………いえ、運命が変わって行くんです。」
にわかに信じられない話。…確かに浦和くんは以前も予知夢のことで私を救おうとしてくれた。
彼はこんな時に単なる夢の話をする人ではない。きっと何が起きるに違いない、そう思った。
「運命………。
じゃあ未来が変わってしまうの?」
「いえ、それが過去の運命も変わってしまうんです。」
「過去が!?」
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