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同じ頃、レイは炎に向かい祈祷をしていた。
それを見守るうさぎ、まこと、美奈子の3人。
「はあああああー!カツッ!!」
───炎の中からレイ達を睨む瞳。鋭い視線。
そこに浮かび上がったのは少女の顔。
「これは………!?
誰っ!?敵なのっ!?」
「………私の名はシン。
これはほんの挨拶代わりだ!!」
突然炎が激しく燃え上がり爆発した。
炎に一番近い場所にいたレイはその爆発に巻き込まれてしまった。
「ゲホッ、ゲホッ!
やだあーもうっ!すすだらけになっちゃった!」
お笑い番組のオチばりにしっかりと黒焦げになったレイ。焦げただけで特にダメージもないようだ。
「な、何だったの?今のは!?」
警戒するうさぎ。
「あたしにもよく分からないわよ。ケホッ、ケホッ」
…それにしても、信じられない位よく焦げてる。あの爆発でこんな風に焦げるの?
うさぎはもう堪えられなかった。
「ぷっ…レイちゃん、顔が真っ黒だよ。」
今まで姿の見えなかった敵とのファーストコンタクトのはずが…緊張感の欠片もない。
「う、うるさいなー。ケホッ、ケホッ」
「レイちゃん、大丈夫かい?」
世界中がまことみたいな優しい人間ばかりなら良かったのに。レイがそう思っても不思議じゃないシチュエーション。
「うん、大丈夫。服がちょっと汚れただけだから。
あたしちょっとお風呂入ってくる。ケホッ、ケホッ」
レイ、災難。
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