ホラー短編（時々中編）集

遊んでね

「ねぇ、知ってる？　公園の女の子の話」

会社の昼休み、お弁当を囲みながら同僚の亀井が言った。

榊原は、自分の弁当箱に入っているウィンナーを口の中に放り入れたところで、ただ首を左右に振った。

一緒に食べている他の二人も同様に否定の言葉を口にする。

この亀井は、身長も高く、好奇心が旺盛だ。

こうして弁当を囲むと、必ず会話は彼女を中心に回る。

というよりも、他の人間は仕事の疲労から、そこまで会話をする元気がないのも事実だ。

だが、彼女の性格がこの仕事に向いているだろうことは一目瞭然だ。