2147年

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 アンチARiA派のソウスケとしては、この狂信者は忌むべき対象として認識されていた。  それでも上下関係を保っていられるのは、シンラがこの組織で最もARiAに近い存在だから、ということに他ならない。  過去に何度かARiAについて訊いたことがあったが、その時はのらりくらりとかわされ、結局情報という情報は、ARiAは女性のAI(人工知能)だということくらいしか得られなかった。  ソウスケはシンラに、ぶっきらぼうに要件を聞く。 「今度は何の任務だ」 「なに、簡単なことだ。昨夜君が始末してくれた運び屋の所持品から、やつらの武器がどこから流れてきてるのかが判明した。旧東京の郊外にある工場だ。これを潰してきて欲しい」  ソウスケは内心舌を打つ。何が簡単なこと、だ。危険にも程がある。  しかしシンラとはあくまで上司と部下の関係。口答えは出来ない。  渋々頷くと、シンラから長方形の物体を手渡された。ずっしりと重い。タイマーが付いている。これは── 「C4爆弾……か?」 「ご名答。それでなんでもいい、火薬を爆破して欲しい。工場はそれ一つが巨大な爆弾みたいなものだ。何かに火を付ければ、連鎖的に爆破が続き、一瞬で木っ端微塵にできる。頼んだよ」  シンラが肩に手を置いた。ソウスケは悟られないくらい僅かに、眉をひそめた。
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