2147年

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 22世紀。世界は、その姿を大きく変えていた。  2085年に勃発した、第三次世界大戦。21世紀初頭から関係が悪化の一途を辿っていた西側と東側の緊張状態が、ある事件を境に爆発した。  米国大統領暗殺。  皮肉にも、35代大統領ジョン・F・ケネディが暗殺された同日、11月22日にそれは起こった。  東側との関係をどうにか回復させようと会談に臨んだ結果、反米勢力の過激派によって帰国直前に銃殺されたのだ。  これによって三次大戦の火蓋が切って落とされた。  各地で毎日のように上がる戦火。泥沼の戦局……。  治安は日を追うごとに悪化し、強盗や殺人などが繰り返される。  早急にこの大戦を終わらせようと、西側陣営からは核発射の提案すらも出たという。  ──世界は、終わりを迎えようとしていた。  しかしそんな中、インターネット界から救世主が現れる。  『Autonomous Reactive integral Attribute』  通称頭文字を取って“ARiA”と呼ばれるそれは、突如としてネット界を掌握し、瞬く間に東西の関係を回復させた。  分断された世界をわずか数ヶ月で立て直し、核戦争を未然に防いだ伝説は、今なお語り継がれている程である。
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