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陽斗は笑ってたけど、私は全然笑えなかった。
むしろ腹が立ってイライラしてた。
だから多分態度にも出てたわけで……
「優梨、いつまで拗ねてんの?」
俯きながら膨れっ面をした私を、陽斗が優しい笑顔で除き込んで聞いてきた。
「……拗ねてないもん」
素直になれない私がそう返すと、陽斗はクスクス笑い出した。
「ハル!笑うことないじゃん!!」
半泣き状態で顔を上げ訴えると陽斗は笑うのをやめ、一歩、二歩と近づいてきた。
怒られると思って、おもいきり目をつぶったら
「バーカ」
ってまたクスクス笑う声が聞こえて、ムカってしたから目を開けて言い返してやろうとしたら――…!
陽斗に唇を塞がれてた。
一気に真っ赤な顔になった私に、陽斗は唇を離すと言ったんだ。
「あんなの勝手に言わしとけばいいんだよ。周りとか関係ないしな。
俺は優梨が好きなんだからそれでいいじゃん?
それともそれだけじゃ不満?」
「……不満……じゃない……」
そう言った私に陽斗はまたクスクス笑い始めた。
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