①必要なアナタ

3/4
前へ
/26ページ
次へ
陽斗は笑ってたけど、私は全然笑えなかった。 むしろ腹が立ってイライラしてた。 だから多分態度にも出てたわけで…… 「優梨、いつまで拗ねてんの?」 俯きながら膨れっ面をした私を、陽斗が優しい笑顔で除き込んで聞いてきた。 「……拗ねてないもん」 素直になれない私がそう返すと、陽斗はクスクス笑い出した。 「ハル!笑うことないじゃん!!」 半泣き状態で顔を上げ訴えると陽斗は笑うのをやめ、一歩、二歩と近づいてきた。 怒られると思って、おもいきり目をつぶったら 「バーカ」 ってまたクスクス笑う声が聞こえて、ムカってしたから目を開けて言い返してやろうとしたら――…! 陽斗に唇を塞がれてた。 一気に真っ赤な顔になった私に、陽斗は唇を離すと言ったんだ。 「あんなの勝手に言わしとけばいいんだよ。周りとか関係ないしな。 俺は優梨が好きなんだからそれでいいじゃん? それともそれだけじゃ不満?」 「……不満……じゃない……」 そう言った私に陽斗はまたクスクス笑い始めた。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加