プロローグ

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「遅くなりましたわ…………。 って、またあなたたち喧嘩をしているの?」 そこに来たのは、お嬢様、桂木美理亜(カツラギミリア)…………。 親御さんも凄い名前をつけたもんだ。 通称、ミリーの桂木美理亜は、地毛の金髪と、青い瞳という、お人形さんを思い出させる容姿をしている。 ちなみに美少女。 ミリーにも、ファンクラブが存在する。 ギャルゲかっての。 このコミュニティーには美男美女が多くて、平々凡々の俺が何故一緒にいられるのかよくわからん…………。 ミリーの親御さんは気さくな人だが、初めてミリーに呼ばれて家に行ったときに、親父さん(こっちが金髪碧眼)に、 「君の力を試させてもらおう。」 と言って、広大な敷地を持つミリーの家にある道場に引きずり込まれた。 が、襲われるとついつい体が反応してしまって、親父さんが殴ろうとした瞬間に、親父さんの拳を受け止めて、思いきり顎にアッパーを喰らわせ、気絶させてしまった。 俺が慌てふためいていると、ミリーが、 「問題ないですわ。」 と言った瞬間に、ミリーに似た日本人の人(俺はミリーの母だと考えた)が親父さんをトイレに連れていって、一分後に意識を取り戻して俺の元に来た。 何をされるのかと思ってビクビクしていると、親父さんは右手を出してきて、 「桂木家にようこそ、君が4代目だ。」 と意味のわからない事を言われた。 俺とミリー(何故か顔が真っ赤)がおろおろしていると、ミリー日本人verが親父さんにチョップを喰らわせ、 「ごめんなさいねぇ、お婿さん。」 と言った。 ミリーは顔を真っ赤にしてその場に倒れ、俺はとにかく慌てふためいた。 桂木家では、そんな珍しい体験(したくもなかったが)出来た。 「気にしなくて良いよ、痴話喧嘩だからね。」 ハルがそう言うと、ミリーは少し俯いた。 「…………二人とも早くやめなさい!!」 痴話喧嘩と言う単語を聞いて、怒った気がしたんだけど…………。 何だったのかな。
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