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「大丈夫かィ、アンタ。」
「は、はい…。」
女は一瞬で屍になった天人達を震える目で見ていた。
「次は捕まんねーように気をつけ…」
「っ…!」
女は震えながら沖田に身を寄せた。
「…おい」
「ごめっ…なさっ」
…泣いてんのかィ。
「…家まで送ってってやらァ。」
屯所に戻ってもこの時間じゃキレられるだろうし。
「すみませッ…」
その時、キラリと何かが光った。
ナイフ…?
ガシッ
「!?」
女は両手にナイフを握っていた。
それを素手で掴んじまった。
あー、馬鹿だ俺ァ
「なっ…ぁっ」
女は掴まれたナイフを引っ張る。
「女がこんな物騒なモン、持つもんじゃねぇぜ。」
ヒョイとナイフを取り上げる。
「てめーも奴らの仲間だったのかィ。女がナイフ持つ時ァ飯作る時だけでィ、家帰ってマズイ料理でも作るこった。」
そう言って背を向けた。
捕まえても何にもなりゃしねーし。
見逃した訳じゃねぇ。
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