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点滴を付けられ、腹に痛みと、吐き気、さみしさが胸を締め付けてくる。
姉上、
姉上もこんな状態だったってのかィ?
何年もこれに耐えてたってのかィ?
「……俺ァ、相当馬鹿だったみたいでィ。」
こんなの嫌気がさす筈なのに
姉上は笑っていてくれた。
無理して笑っていた。
「情けねぇ…俺ァ…情けねぇ野郎だ……ッ」
両手で顔を伏せる。
フラッシュバックする昔の記憶と
どこで聞いたか忘れちまった曲が
エンドレスする。
――――…
―――――――……
―――――――――………
「そーちゃん。」
「………」
「また稽古に行かないの?」
「…………あの野郎が居るから。」
「そーちゃん、そんなんじゃお友達出来ないわよ?」
「…別に、良いです。」
「まぁ。」
ミツバは困った顔をし、ため息をつく。
そしたらきっと野郎が現れ、姉上を笑顔にするんだ。
自分には出来なくて、野郎には出来る。
姉上を笑顔に出来るのは、自分じゃなくて野郎。
悔しくて 憎くて 虚しくて 情けなくて どうにも出来なくて 悲しくて 落ち込んで 腹が立って 気にくわなくて
孤独を感じていた。
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