依頼

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ラクーナギルド。 それは若手の魔導師や魔法使いを中心としたギルド。年齢不詳名前不明の謎の多い女ギルドマスターを筆頭に各地に名を響かせるギルドだ。 「あら、戒。おはよう」 「アニータ。おはよう」 戒がギルドの扉を開けると、アニータが綺麗な笑顔で戒に挨拶をする。 このギルドは早朝からでも騒がしい。 ギルドの内装は宿舎のようで、食堂が入って直ぐにあり、その奥に仮眠室がある。食堂では、遠征クエストから帰って来たものや、早朝クエストに向かう者で溢れていた。 「戒、ご飯は?」 カウンター席に座った戒にアニータが注目を聞く。 「いや、食べてきた。…ところで、マスターは?」 「マスターなら奥よ。戒が来る前に可愛らしい依頼人が来たのよ。マスターに何か用?」 戒の前に頬杖をついたアニータはにっこりと笑う。 「あぁ、呼ばれて…」 戒が答えようとしたその時、奥の部屋の扉が開いた。その音に騒がしかった雑音が一瞬で消え去る。 その部屋から現れたのは、赤い髪に軽くウェーブのかかった露出の多い服を着た女性が姿を表す。 その女性の後ろから一人の少女が続く。 「あら、マスター。お話終わったのですか?」 長い沈黙を破ったのはアニータだった。その言葉を合図に再び騒音がぶり返す。 .
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