覚醒

1/3
前へ
/402ページ
次へ

覚醒

それは突然だった。 親子が歩く帰り道。 夕日は辺りを紅に染め上げる…そして少年の瞳も。 母親の手にぶら下がるビニール袋に手が伸びる。 触れた手が何かに裂かれた様にずれ落ちる。 そして朱い飛沫が少年を濡らした。 母が子を見る。 しかしそれは我が子を見つめる視線では無く。 人外を見る恐怖を抱く瞳だった。 これが覚醒の瞬間だった。
/402ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12406人が本棚に入れています
本棚に追加