覚醒

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少年は暗い部屋の片隅で抱いている。 抱いている感情は恐怖。 それは母を傷つけた未知なる《なにかの力》 それは母から向けられた恐怖による視線。それが自分に注がれていると気づいた時の悲しみ。 それをどうする事もできぬ無力な自分に対する絶望。 もう涙も枯れた。 声も枯れた。 少年には扉を叩く力すら残ってはいなかった。
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