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「そこでだ!絡まれてる娘を守るため私は戦った!これがその時の傷跡なのだ!!」
っと、近くの席で女子達に、手を出して誇らしげに語っている、茶色い髪を2つ分けし、バカな笑顔満開な狼少年は、俺の親友、いや友達……。
…知り合いの富永亥月トミナガイツキ。
世界じゃこいつみたいな奴を「チャラ男」というんだろう。
だいたい
ケンカで擦り傷や打撲は聞いたことがあるが、
突き指って………。
平手打ちか?
平手打ちからの突き指か?
どのみち、ケンカではあり得ないし、面倒くさいから哀れみの視線だけ送ってあげよう。
すると、
「お~い!!柊弐ちゃ~ん」
目が合った。
神様頼む!
来るな。狼少年。
「大事な話があるんだよ~」
願い届かず。
決めた。来年の正月は絶対賽銭入れません。
「どうした?バカチャラ狼少年。」
「ぐさぅぁっ!!なんて酷い事を…。この繊細で美しい昭和最後の天使亥月に!!」
こいつの、言動一つ一つに激しい殺意を覚えるのは、俺だけだろうか?
そして、
俺達は、バリバリの平成生まれである。
「あのさぁ~。実は、俺、今女性と同居しているんだぁ~。」
いきなりだな、おい。
っつか、俺と亥月の「ウィー アー オンリー フォーエヴァー同盟」は、どうなったんだ!?
「お、おい!ち、ちょっと待て!だ、誰とど、同居してるんだ!?」
っと、肩を掴み何故か揉んでいた。
すると、
亥月は、真顔でいった。
「まずぅあ~(=母)」
………。
発砲許可降りました。
そして、
帰り道。
拳を鍛えて無かったので、痛くて手に力が入らない少年と、その原因はいつもの通学路を通っていた。
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