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「じゃあ始めるぞ。」
神威はそう言うとベルクに近づき左手をベルクの胸に翳す。
「…はい」
ベルクは小さく肯定の言葉を言う。
「能力[貸与:ギフト]…発動…」
そう言いながら眼を閉じる神威、その瞬間神威の左手から白い光を発光し始めると神威の体に変化が起こった。
口からは牙が生え、少なくとも身体の見える部分全てから毛が生えて行くのが分かる。
だがその現象は長くは続かなかった、十数秒もすると神威の身体は元に戻り始め三十秒もすると元の姿に戻った
「グッ…」
次に変化が起こったのはベルクだった、ベルクのうめき声と共に神威と同じように変化が起こる、だがベルクの変化は神威のように途中で止まらずドンドン彼の肉体が変化していく。
「…これで……終わりだ。」
そう呟くと同時に左手の白い光は消え神威はベルクから手を離す、そしてベルクは神威と初めて会ったときのように狼男の姿をしていた。
狼男の姿となったベルクは俯いていて表情は読み取れない、だが神威は何時でも動けるよう腰を少し屈める。
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