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「では行くぞ。」
そういうと翼に更に力を入れたのかさっきよりはためく早さが速くなってるような気がする。
「えっ、ちょっ、まっ……!?」
バサッ
バサッ
俺が待ってと言う前にガルは空に浮き上がる、不自然な浮遊感と足場の悪さで少し酔うかも、と心の中で感想を呟く。
「しっかり捕まっとれよ!」
ガルの注意するような声が聞こえた瞬間前方から突風が吹いてきた、だが直ぐに違うと分かった、何故なら俺があまりの風の強さに顔を横に向けると風景がもの凄い速さで過ぎ去っているように見えた。
そして今更だが理解した、ガルは今物凄い速さで飛んでいるのだ!
「ちょっ、もう少し速度を落とせ。」
痛い!風が強すぎて痛いよマジ!
「ぬっ、そうなのか?儂にとっては何時もより少し速い程度なのじゃがのぅ。」
ガルの顔は背中に乗ってるから良く見えないが「マジで?」みたいな顔をしているはずだ、間違いない。
「そんな事は知らん!俺に合わせろ俺に、頼むから!」
俺の懇願を聞いたのか飛ぶ速度が下がった、相変わらず風が強いが…。
「これぐらいで良いか?これ以上遅くすると流石の儂でも落ちてしまうからの。」
「あ、あぁ。」
ある程度風が弱まった、と言ってもさっきのあの強風と比べたらで今でも十分強い風だが贅沢って奴だよな、墜落しても困るし。
その後、俺はガルの背中にしがみつく様に乗りながらも過ぎ去っていく景色を見ているとガルから何やら話しかけて来た。
「なぁ、神威よ。」
「何?」
取りあえず返事はしておく俺。
「どうやって獣人が生まれるか知っておるか?」
ん?何故いきなりそんな話を俺に振ってくるんだ?
「いや、知らね。あっちの世界じゃ獣人何て居なかったからな。あちら側のファンタジーマンガじゃ元々そういう種族が居たりする設定だったかなぁ。」
「そうか…儂らの世界ではな、獣人が生まれる要因は獣人と交わる場合と使い魔や儂らの様な人語を話せる高位の魔物と交わる場合に起きるのじゃ…。」
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