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「お前もうちょいやさしく降りれないのかよ?」
神威はガルはさっきの着地に付いて抗議を申し立てる。
「すまんすまん、つい何時ものクセでやってしもうた。」
それに対しあっけからんな態度を取るガル。
「で、結局何であんな話をしたんだ?」
神威はガルが結局話せなかった理由について聞いてくる。
「まぁそうカッカッしなくても良かろう、それに話は目的地に行った方が口で言うより分かりやすいじゃろうしな。」
言うより見たほうが速い、と言うガル。
「はぁ、分かったよ。じゃあさっさとその目的地とやらに行こうぜ。」
訝しむ神威、だがガルがそう言うならと無理矢理納得し村に行こうとする。
そんな神威にガルは制止の声をかける。
「まぁ待つのじゃ、儂がこの姿でいったら村が騒がしくなるじゃろうが。」
ガルはドラゴンである、魔物である自分がそのまま村に行けば村人はパニックを起こすだろう。
「それじゃあどうす……あぁ、人化するのか。」
神威はその事に一瞬考えるが直ぐにさっきの話の内容を思い出す。
「中々に頭が回るな神威よ、その通りじゃ。」
そう言うとガルは顔を空へと仰ぐ。
「我、気高き闇を従えし者」
宣言する様に言うガル、そこにはそこはかとなく威厳が漂う。
「我が姿は真実にして偽り、今此処に偽りにして真実の体躯を我が身とせよ。」
更にガルは両翼を広げる、するとだんだん白い光がガルを包み始める。
「“フェイク オブ トゥルー”」
そう言うとガルの体は一気に白い光に包まれた。
ガルが光に包まれ数十秒するとガルを覆っていた光は小さくなり直径2メートル位の球体にまでなると光が消えていった。
そこにはすでにドラゴンの姿は無く代わりに30代後半位で黒いスーツに無精髭を生やした黒髪黒目の男性が立っていた。
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