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「ゴホッゴホッゴホッ」
まるで火事に巻き込まれたように俺は煙に包まれている。
「親父の奴、また変なもん土産に送りつけやがって…」
何故こんな事になっているかというと、考古学者である俺の親父が原因である。
親父は世界中の遺跡を飛び回り、その都度変わった土産を送ってくる。
そして今回もいつものように手紙が添えられて送られてきた。
『春樹へ
最近調子はどうだ?お前のことだから心配はしてないがな。ハッハッハー
今私たちは黒海に来ている。ここではアマゾネスについて調べているところだ。ハーレム万歳!
そうだ、おもしろい物を発掘したからお前に土産に送ってやる。
それじゃあまた近い内メールでもするからな』
手紙は短い上にどこかふざけた文面だった。
そして送られてきた物は汚れた木箱。
古い物にしてはしっかりとした箱で、あけることができない。
仕方ないのでハンマーで壊し、中身を確認しようとしたのだが…
「ゴホッゴホッゴホッ」
壊した瞬間、浦島太郎の玉手箱のように煙が溢れ出てきて、今現在に至る。
「これでじーさんになってたら笑えるな」
換気のために窓を開ける。
「ん?」
窓にうっすら映る自分をみて、俺は自分の異変に気が付いた。
慌てて洗面所に向かい、鏡で確認する。
「な、なんじゃこりゃー!?」
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