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短髪だった髪は肩に掛かるほど伸びている。
日に焼けた小麦色の肌は雪のように白い肌になっている。
面影は少し残っているが一目でわかるほど顔つきが変わっている。
どう変わっているか一言で言うと、ずばり女顔。
今更ながら違和感を感じ、自分の胸に手を当てる。
「やわらかい…」
今までに触れたことのない感触がそこにあった。
膨れ上がった山が2つ。
「…これは夢だ。夢に違いにゃい」
頬をツネってみるが痛いだけで何一つ変わらない。
最後の砦であり、男の勲章である、俺の息子を確認する。
「ブッ」
そこには在るべきジュニーはなくなっており、生まれて始めて生で見る物があった。
自分の体を見てこんなにドキドキしている変態は世界中探しても俺だけだと思う。
て言うか、本当に俺の体なのか?
「顔だけじゃなくて体まで女になってやがる…」
なんでこんな事になった?
原因はわかってる。
「あの箱だ」
先ほど壊した木箱のあるリビングに戻る。
「…ん?なんか書いてある」
木箱の破片に何か文字が刻まれているが、意味は全く分からない。
取り敢えず文字を写メで撮り、メールに添付し親父に送ることにした。
『おい!親父の土産の所為で女になっちまったじゃねえか!どうやったら元に戻れんだよ!?』
我ながら冗談にしか思えないメールだと思う。
送ってから思い出したが、俺からメールをして返事がすぐに返ってきた試しはない。
今まで早くても1週間後だった。
「これから俺はどうやって暮らしてきゃいいんだよ…」
俺は明日からの生活に不安を感じていた。
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