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「春樹はどこ?って言うか、それ春樹のスエットよね?」
マンガみたいにゴオォォっと言う殺気による地響きが聞こえるのは俺の気のせいだろうか。
「俺はここ。これは俺の寝間着だし」
てか何で美咲のやつが怒ってんだよ。
「そんなの見りゃ嘘だってすぐにわかんのよ」
ボキボキと指を鳴らしながらジワジワと詰め寄ってくる。
「ちょ、ちょいタンマ。まずは俺の話を聞けって」
そこで俺は必死になって昨日の出来事を話した。
「そんな話を私に信じろと?」
話をすべて聞いても美咲の怒りはまだ収まっていない。
まぁこんな事聞いて「はい、そうですか」と納得する奴の方が頭がいかれてると思うが。
「はい」
何故かベットに腰掛けた美咲の前で、床で正座をさせられた俺が答える。
「じゃあ質問するわ。私の誕生日は?」
「9月10日」
「じゃあ―――」
それから幾つか、俺なら知っているはずの質問を美咲は出した。
もちろん俺はすべて答えられた。
「―――。ちなみに俺とお前が最後に一緒に風呂に入ったのは小学3ね゛」
年生。と言おうとした俺の頭を、顔を真っ赤にさせた美咲が殴った。
「イッテー」
「もうわかったわ。あんたが春樹だって信じてあげる」
殴られはしたものの何とか信じて貰えたらしい。
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