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「で、これからどうするの?戻る方法とかわかってんの?」
「さあ…。取り敢えず親父に聞いてみたけど、返事はたぶん1週間後とかだと思う」
「1週間って、明日入学式なのにどうするの?」
俺以上に美咲は真剣に考えてくれていた。
「ん~。髪切って、さらし巻いて登校すれば何とかなるんじゃねえ?」
「バカ」
俺の意見に呆れてため息をもらしながら美咲が言った。
「男装したとこで肌の色とか顔が明らかに違うんだからバレるでしょ」
確かにそうだ。
それに家に近いという理由で選んだ高校なので、同じ中学だった奴らが何人かいるのでそいつ等には確実にバレる。
「どうしよう…」
「学校にある春樹の個人情報を変えられれば、女の子として通うこともできそうだけどそんな都合よくいかないわよね」
美咲の提案のような都合の言い話しあるわけ…
「あるッ!」
俺は急いで携帯を開き、ある人物に電話した。
※※※
電話を終えてから数分後。
ピンポーンっと言う音が聞こえる。
「達也かな」
「あ、私が出るよ。春樹が出たら驚くだろうし」
美咲は気を利かせ、先ほど電話で呼び出した人物を招き入れにいってくれた。
「あれ?美咲ちゃんも来てたんだ」
玄関から微かに達也の声が聞こえる。
「うん。まぁいいから入って」
「おっじゃまっしまーす」
達也の足音は迷うことなく俺の部屋に向かってくる。
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