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「そうか」
少年はそっけなく返すと前へと歩んだ。噴水の先、公園の出入口。
すると、その様子を見た少女はあわてふためき立ち上がり、傍らに置いていた小さなショルダーバッグを肩に掛けて小走りで少年の隣へ行く。
「あう。何か怒られるような事をしてしまったのでしょうか。ごめんなさい。繰り返すって意味なのです」
しゅんと、謝罪の気持ちが態度から汲み取れるほどに落ち込む。
「そんな事はねぇよ」
ニヤリ。
意地悪そうに笑う。それを見た少女は憂いから驚き、そして怒りへと顔を変えた。
「酷いのです。こうなったらアイスクリームも」
「太るぞ」
「なっ……酷いのです、私はもっと怒りました。クレープを買ったならばあなたの家へ行きましょう。そして居座ってやるのです」
二人は競うように歩みを早め公園の出入口へ向かう。
「予定も無いしそれもいいな」
「なんという事でしょう。誘っといてこの爆弾発言。蹴飛ばしていいですか」
噴水、公園。
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