少年、自宅。

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「どこに座ればいいのでしょうか?」  クレープやドリンク、ソフトクリームなど一通り買って、二人が向かったのは少年の自宅。噴水公園からは歩いて十分程。しかしそれが待てなかったソフトクリームは溶け出し流れ出し、気づいた少女。家に着く頃には少女の腹の中。 「……すまん。昨日夜更かしして待ち合わせの所へ行くのもギリギリだった」 「パジャマやらゲームやらゴミやら。よく『行こう』だなんて言えた物なのです。それとも『しょうがないなぁ、私が掃除してあげるよ』みたいな彼女的な台詞を期待していたのでしょうか」  謝る少年に、少女は辛い言葉をぶつけて行く。その言葉が見えない重りのようになって少年の肩は少しずつ下がって行った。 「…………すまん」 「謝られても困るのです。しょうがないですね、掃除が終わるのを待っていてあげましょう」  バッグを部屋の隅に置いて、肩を捲るような仕種をする。しかし全くやる気が感じられないのだから笑いものだ。
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