サクラノキミ

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寒気と喉の乾きで目が覚めた。 う…これは…完璧風邪ひいたな。 昨日の帰り道、止んだと思った雪は嘲笑うように降りだしたんだ。 このクソ雪野郎…覚えとけ。 フラフラと台所へ行き水を飲む。 あー…だりぃ。 作文、約束したけどこんな状態じゃ学校なんて行けねぇし。 大澄、ごめん! 布団にもぐってもう一眠りしよう。 電話がなってる…うるせぇ…。 お袋は出かけたんだろうか。 あんまりしつこくなり続けるから仕方なく受話器をとる。 「…もしもし」 びっくりするくらい鼻声の俺。 そんな俺より更に鼻声の担任からの電話だった。 「和田君?あのね…」 …。 目の前が真っ白になった。 今日も雪は降り続いている。
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