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その日はとても晴れた日だった。
目の前には、ふわっと微笑む大澄の顔がある。
女子はみんな泣いていた。
あの日大澄は夕方まで文集をまとめる作業をしていたらしい。
帰り道、雪で滑った車の巻き添えを喰らった。
即死だった。
一瞬でこの世からいなくなった。
青空に細くたなびく煙をぼーっと見上げた。
無理にでも連れて帰ればよかったんだ。
今更後悔しても遅いんだけど。
約束が果たせない事、あの笑顔が見れない事…色んな事が胸を締め付けて苦しくなった。
彼女が見たがっていた緋寒桜は蕾を膨らませている。
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