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また朝が来る。 毎日同じ事の繰り返し、退屈な日常。 …起きるの嫌だな。 「小夜!いつまで寝てるの!早く起きなさい!」 すぐ耳元で母さんの怒鳴り声がして、ゆっくりと目が覚めた。 「…」 重い体をベッドから無理矢理起き上がらせ、ノロノロと階段を下りる。 「あなたねぇ、何回起こしたと思ってるの?さっさとご飯食べちゃいなさい」 「何回も?」 コーヒーを啜りながら尋ねた私に母さんの眉がつり上がった。 「呆れた!そんなに寝てばっかいたら脳みそ腐るわよ」 聞こえないフリをしてパンをかじる。 「ホントに…誰に似たんだか。学校遅れるわよ」 「ん?今日何曜日?」 わざとらしいため息をついた母さんは、それ以上何も話そうとはしなかった。 最近、やたら眠い。 バスの中、授業中、暇さえあれば寝ている。 眠りは深くちょっとやそっとの事じゃ目は覚めない。 寝ても寝ても眠気が覚める事がないのだ。 それに伴って頭はぼーっとするし動きもスローモーションになってきている。 時間も曜日も感覚が狂って分からない。 何もしたくない、とにかく眠かった。 「おっはよう小夜!今日も重役出勤だね~」 昼過ぎに学校に着いた私に弾けんばかりの笑顔を向けてくるのはクラスメイトの里沙。 私はこの子が苦手だ。 あからさまに嫌な顔をするのに里沙は後から引っ付いてくる。 キャンキャンとうるさい里沙の話は何を喋ってるのかサッパリ分からない。 「あのさぁ」 「何??」 「うるさいんだけど」 涙目になる里沙を残して屋上へ向かった。 温かい風が吹き抜ける屋上は昼寝にはもってこいの場所で寝足りない時は決まってここで寝る事にしている。 ベンチに寝転がって思いっきり伸びをした。 多分この瞬間が私の一番生き生きとした姿だろう。 目を閉じると同時に眠りの中だった。 心地よい眠りの淵、微かに泣き声が聞こえた。 悲しそうな、淋しそうな泣き声。
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