二人の旅人

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人生始まって十数年。 つくづく私は不幸だと思う。 何がって? 私の身体に宿った、傍迷惑な神様のことですよ。 おかげで私は、まともに人と接したことがありません。 だから時々無性に誰かと話したくなるのですが…。 「有り金とっとと置けって言ってんのが分かんねぇのか!!」 私達の前に立ちふさがる、獣の皮を着込んだ五人の男。 言ってることから分かるとおり、この方々は山賊。 どうやらここ一帯がこの方々の縄張りらしく、愚かにも私達はそこに入り込んでしまったようです。 「さっきから聞いてんのかごらぁ!!」 こういう時は黙りを決め込むのが一番。 下手に話しても余計に怒らせるだけですからね。 侮蔑なんて、一番やっちゃいけない。 戦いは出来得る限り避けるべきです。
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