第一章 開戦

3/113
前へ
/355ページ
次へ
現在、軍港ではクレーンが桟橋に停泊する輸送船数隻に軽戦車や分解した重砲、弾薬が梱包されたコンテナ等を慎重にクレーンを動かしながら輸送船の中に入れていく、輸送船の甲板には輸送船乗組員達が 「オーライ、オーライ」 と掛け声で誘導する声が重機の動く音に消えながらも聞こえてきた。 そんな軍港で働いている作業員より多い人が今桟橋や波止場に溢れていた。 桟橋にいる人達は若い者もいれば中堅位の者もいる。黄色い肌や白色の者いる。肌の色が違う人がいるが黄色い方が元々ネーデル大陸にいた人種で白色の方は遠い昔にネーデル大陸に流れてきた人種である。アルムメント皇国ではこの違いを黄色系と白色系とで分けている。 さらに軍装も違っており、黄色系の装備は旧日本陸軍の装備をしているが白色系は英国陸軍の軍装と別けられており、それは陸軍においても海軍においても同じであった。 しかし、今桟橋に集まっている兵隊達の多くは見送りに来た家族や恋人達、親しき友達と話をしたり抱き合ったりしていた。 これが最後になるかも知れない。と思った兵隊達のつかの間の団欒を過ごすためでもあった。
/355ページ

最初のコメントを投稿しよう!

107人が本棚に入れています
本棚に追加