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シオンとライラの2人は大地教団の神殿に来ていた。
久しぶりに近くで見る始まりの鐘は、やはり淡い輝きを放っていた。
「この鐘はいつ見ても綺麗だな」
ライラはそんな事を呟いた。
「神々の時代から変わってないんだよね。この鐘は、そんな長い歴史の中で何を見て来たんだろう……」
「そんな難しい事を私に聞くな」
2人はお互いを見つめ合って笑う。
そんな時、懐かしい声が2人の名前を呼んだ。
「えっ!?」
シオンは辺りを見渡す。
「男になったじゃないか」
「フリックさん……」
そこにはフリックが歓迎するように立っていた。
「ライラも少しは女らしくなったな」
フリックは2人に歩み寄るとそう言って笑みを零した。
「フリックさんこそ、何だか雰囲気が変わりましたね」
シオンはフリックと握手を交わすと、隣で頬を膨らませるライラを見た。
「どうしたの?」
シオンは首を傾げた。
そんなシオンを見て「相変わらず鈍い奴だな」と言って笑う。
「どうせ私は少ししか女らしくなってないぞ!」
「冗談に決まってるじゃないか。ライラも女らしくなってるさ」
フリックは更に声を高くして笑った。
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