再開

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そして暫く笑ったフリックは「今夜は俺の家で寝ていけ」と言った。 「フリックさんの家?」 「俺とアキュアは軍から身を引いたのさ」 「それは本当ですか!?」 黙っていたライラがフリックに掴み掛かる。 「冗談をここで言っても仕方ないだろ」 「そうですけど……」 そう言ったライラの顔は少し寂しそうに見える。 正義感が強く、最前線に立って指揮をする姿は、同じ女として憧れでもあった。 そのアキュアが軍を抜けたなどと、あまり信じられない。 「アキュア将軍が軍を抜けた……」 ライラには衝撃が強すぎたのか、唖然としていた。 「そんな顔をしているようだと、今のアキュアを見たら意識を無くしそうだな」 「えっ!?」 フリックの言葉に2人は同時に声を上げていた。 「アキュアは今眠っている。つまり、そう言う事だ」 2人はお互いの顔を見合った。 眠っている……。 それは、大地の恵みを受けた事を意味していた。 「そんな顔をするなよ。とにかくついて来い」 フリックは戸惑う2人に背を向けると、さっさと歩き出した。
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