再開

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大地教団の神殿からデルララの正門へと進んで行く。 そこから東へ進むと、フリックの暮らす家があった。 「広くないけどな」 入り口を開け中へ入るフリック。 その後に2人は黙って続いた。 「適当に座っててくれ」 そう言い残すと、フリックは部屋から出て行く。 残された2人は頷く事しか出来ず、とりあえず適当に腰を落ち着かせた。 「何だか生活感が溢れてるな」 ライラが小声で言った。 「そうだね……。ここで2人で暮らしてるんだ」 シオンは部屋の中を見渡して行く。 特に変わった物は無く、本当に最低限の生活品しか見当たらない。 それでも綺麗に片付けられた部屋は、2人が幸せに暮らしていた事を物語っていた。 「ライラは先に湯浴みをしてこい。心配しなくても覗いたりはしない」 「な、な、何を言って……」 茶器を手にしたフリックがそう言いながら戻って来た。 そして、その言葉にライラは顔を赤らめながら驚いたのだ。 「湯も変えてある。まずは旅の疲れを癒せ」 テーブルに茶器を置くフリックに、ライラは「助かる……」と、呟いていた。
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