再開

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「どうした?」 フリックが呟いた時、ライラが湯浴みから戻って来た。 久し振りにゆっくりと湯に浸かったからか、ライラの頬はうっすらと赤みを帯びていた。 「元気がないぞ?」 「そうでも無いけどな」 フリックは口元に笑みを浮かべながらライラを見た。 「本当にいい女になったな」 フリックはしみじみと言う。 「なぁシオン」 「はい?」 「ライラはどうだ?」 フリックの言葉の意味が分からないシオンは「信頼出来る仲間ですよ」と言った。 その言葉にライラは、一瞬だが悲しそうな顔をした。 「お前は本当に鈍い奴だな。俺が聞いたのはライラの抱き心地だよ」 「えーっ!?」 シオンは思わず声を荒げた。 そして、真っ赤になりながら俯くライラが視界に入って来る。 「あ、あの、あのですね……」 「お前たちは本当に面白いな」 フリックは大声で笑う。 そしてシオンはこの時、フリックにからかわれたのだと気付いた。 「フリックさん酷いですよ」 「お前がはっきりしないからだろ」 顔を上げる事が出来ないライラを見ながら、フリックはもう一度笑っていた。
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