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神官は何度も大地の恵みを発動させた。
疲労の色が出始めた神官は、それでも諦めようとしない。
そんな時、異変を感じた他の神官たちが部屋の中へ入って来た。
「魔石力を使いすぎです。あなたは少し下がりなさい」
「……はい」
「これは魔石の症状ですね。魔石の力に打ち勝つには、更に強い魔石力が必要になります。今の私たちでは……」
寝台で悶えるアキュア見る神官たちは、どうする事も出来なかった。
「こ、これは……んだ……」
シーツを強く握り、甘い吐息を吐き続けるアキュア。
もはや目は虚ろになり、口からはよだれが垂れ流しになっていた。
そして、神官たちが手をこまねいていた時、シオンを連れたフリックが部屋に入って来た。
「なっ……どうした!?」
フリックは神官たちに問い詰めていく。
その神官たちは俯くだけで、言葉が出て来ない。
「どうしました?」
状況を把握していないシオンは、ライラと共に神官たちを掻き分けて入って来た。
「---えっ!?」
シオンの頭がズキンッと痛みだす。
ライラは口を押さえて両目を見開いていた。
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