再開

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「アキュアは……」 フリックは寝台へ駆け寄ろうとした。 だが、まだ部屋の中が魔石の力によって輝いている為、迂闊に動く事が出来ない。 「シオン……」 「うん……」 既に頭痛の収まったシオンが、ライラの手を握っていた。 「老人の姿が見えたんだね?」 ライラがシオンの肩を掴んだ時、恐らく同調したのだろう。 「何か言っていたような感じだった……」 「たぶん契約者を探しているんじゃないかな。だから、ライラも魔石と同調したんだと思う」 シオンは何となくそれらしい言葉を口にしていた。 「同調って……そんな事が?」 「それは分からないよ。でもライラは契約者としての素質があるんじゃないかな?」 ライラはシオンの言葉に首を傾げながら、部屋の視界が良くなるのを待った。 そして、すぐに視界が開けていく。 「アキュア!」 フリックは叫びながら近付いて行った。 「アキュア?」 寝台に横になっているアキュアは、まるで眠っているように見えた。 「アキュアさんは眠ったみたいですね」 汗が光るアキュアの顔は、何事も無かったように見えた。
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