再開

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扉を守る護衛の1人がミランの姿を見つけて頭を下げた。 そのミランは護衛に軽く頷く。 「開けて下さい」 ミランの言葉と共に、ゆっくりと扉が開かれた。 「お待たせしました」 「いや、久しぶりだなミラン女王」 「本当に久しぶりですね。元気でしたか?」 ミランはフリックに近付くと、嬉しそうに微笑んだ。 「少しは慣れたか?」 フリックも同じ様に微笑む。 だが、フリックの言葉使いが気に入らなかったのか、護衛の1人が「言葉には気をつけてもらいたい」と、睨み付ける。 「構いませんよ」 そう言いながらミランは護衛に下がるように促した。 「し、しかし……」 引き下がろうとしない護衛に「ここは公式の場ではありません。私は友人と話をしたいのです」と言った。 「苦労しているようだな」 そんなやり取りを見ていたフリックは、そう言って一歩下がった。 護衛に気を使ったのだ。 このままフリックが無視してしまえば、護衛の立場が無くなってしまう。 「私に女王は荷が重すぎます」 ミランは椅子に座るように促しながら、そう言った。
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