再開

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「そう言えばアキュアの姿が見えませんが……」 侍女からの報告だと、フリックは誰かを連れて来ている。 だが、ここにはフリックの姿しか見当たらないのだ。 「アキュアの事は後だ。その前に突然来た事には謝罪しよう」 本来、女王との面会を求める場合、何日も前から王宮事務次官に申し入れをしなければならない。 だがフリックの場合、シルに仕えている侍女を通して無理矢理に面会を申し込んでいた。 その事について、フリックは頭を下げたのだ。 「謝罪の必要はないわね。どうせ、注意した所でフリックが守るとは思えないわ」 そしてミランは、笑いながらフリックに頭を上げるように言った。 「すまない。本当ならここで昔話と行きたいんだが、時間があまり無い。シルから聞いているかもしれないが、俺は軍に復帰する事にした」 「えっと……。それはアキュアも一緒と思っていいのかしら」 突然のフリックの言葉に戸惑いを見せながら、ミランは更に言葉を続けた。 「まぁいいわ。それより、軍に戻るなら私ではなくシルに言った方がいいわね」 ミランはそう言ってフリックを見つめていた。
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