再開

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「おかしいじゃないか。このグラン王国で起きている事は、女王に報告する義務があるはずだ。軍務郷なら尚更な」 「そうね……。シルからガロル領の事は奴隷制度がある事しか聞いてないわ……」 「そうか……」 フリックは何か嫌な感じを覚えた。 何故シルがミランに言わなかったのか。 報告する必要性が無かったのか……。 いや、そんな筈はない。 魔石は簡単に採れるような物ではないのだ。 だからこそ貴重であり高価な物なのだ。 「1つ聞いていいかしら?」 「何だ?」 「この魔石なんだけど……どうして天使の涙だと?」 フリックはその事かと思った。 まだ、何も話をしていない。 ミランが分からないのは当然だった。 「話をする前にオレの連れを呼んでくれないか?」 フリックがそう言うと、ミランは侍女の1人に視線を向けた。 「彼と一緒に来た方をここに」 「はい。暫くお待ち下さい」 侍女はすぐに部屋から出て行く。 その侍女を視線で追いながら「驚くぜ」と、フリックは笑う。 「私の知っている方みたいね」 ミランもそう言って微笑んだ。
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