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そして、すぐに部屋の扉を叩く音がする。
「お連れ様が入られます」
侍女の言葉と共に扉が開かれた。
そして---。
「あなたは……!」
ミランは口元に手を当てながら驚く。
「シオンさん……」
「ミランさん、お久しぶりです」
シオンはミランに近付くと、嬉しそうに笑みをこぼす。
「立派になったわね」
「そんな事ないですよ。ミランさんこそ--いや、すみません。ミラン女王こそ元気そうで何よりです」
相変わらず扉の近くに控えている護衛が、凄い勢いで睨み付けていた。
女王に対しての礼儀をわきまえろと言っている。
そんな護衛に気付いたシオンは、とっさに言葉を正したのだ。
「言葉使いは気にしなくて良くてよ」
ミランも普段通りの言葉使いになっている。
「女王、礼儀と言うのは---」
「あなたは下がりなさい。それと、今日の予定は全て明日にいたします」
「し、しかし……」
「これは命令です。下がりなさい」
ミランに言われた護衛は、肩を落としながら下がって行った。
そんなやり取りを見ていたフリックは「大変だな」と、口にしていた。
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