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食事は淡々と続いていた。
特に話が盛り上がる訳でもなく、想像以上に静かだった。
それでも久し振りの仲間との食事は嬉しいもので、結局は時間が早く過ぎ去っていた。
「さすがに量が多いな」
今まで黙っていたライラが、ようやくそう口を開いた。
「王族の食事はこんなものさ。それより話を始めさせてもらうぜ?」
フリックはグラスに残っていた酒を一気に飲み干した。
「そうですね。お願い出来るかしら」
ミランは姿勢を正すとフリックを見た。
そして、軽く頷く。
シオンとライラも同じように姿勢を正している。
この2人もフリックから詳しい話は聞いていないのだ。
「俺達がガロル領の刺客に襲われた事は知っているか?」
フリックを見つめるミランに言う。
そのミランは「シルから聞いています」と言った。
「その刺客の腕には奴隷を示す焼き印があった」
「その辺りの事もシルから聞いています。あなた達を襲った刺客は、大地教団の施設で治療を受けていますよ」
その時ミランは女王としての顔になっていた。
「あの少女の事はシルに任せてあるからな。今度、合わせてもらう」
フリックはそう言って話を続けていった。
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